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カフェのテントの下で~cafe chez nousの12ヵ月~

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2017年 11月 29日

11月のエッセイ 〜 晩秋の街歩き、ホームアンドアウェイ。

年に何度か
渋谷から井の頭線に乗って吉祥寺へ行く。

アクセサリーの制作・販売をしている友人の展示会が
井の頭公園に隣接するギャラリーで催されるので
その度に覗きに行っては、帰りに街を散策するのが楽しみになっている。

この街は晩秋が似合う、とつくづく思う。

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界隈にある大学に夫が通っていた頃、
当時から付き合っていた短大生のわたしは
よく放課後にデートに出掛けた。
学園祭の季節だからか、特にこの時期の印象が色濃くて、
都心よりもずいぶん寒い街だと思っていた。
何故か凄く遠くに来てしまったようにも感じたものだった。


先日、
紅葉を愛でようとギャラリー帰りに井の頭公園を隅から隅まで歩いてみた。
たまには行ってみようかと珍しく夫も付いて来た。
あの頃の私たちは若さゆえ、こんなに豊かな自然やその風情を楽しむこともなく
ただ暖かくタバコに煙った珈琲店で無為な時間を過ごすのが常だった。
夫はこの日
「井の頭公園を歩くのは初めてだし、自然文化園なんて存在も知らなかった」
と言ってわたしを驚かせる。

今では互いにすっかり自然と親しむ年齢となり、
雨上がりの落ち葉を踏みしめながら空を見上げて気付くのは
このあたりの木々がとても高いということ。

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空気も濃いし、紅葉もひときわ鮮やかで

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箱根あたりに旅行に来ているような気分にさえなる。

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やがて日が傾いてくると、キリッとした寒さが忍び寄ってきた。
そうそう、この感じ。
実際の温度だけではなく、武蔵野の雑木林を彷彿とさせる風景がいかにも寒々しくて
「どこかカフェで暖まって、早く家に帰ろう」という気にさせられる。

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わたしたちが住むのほほんとした東京の城南地区とは違う自然環境。
そして、多世代から愛されるこのエリアは
人間の有りようも「なんか違うな」と常々興味深く観察している。

例えば…。
公園内での大演奏やグッズの販売、大道芸人風出し物など
それこそ学園祭みたいで
我がホームの「駒沢公園」ではほとんど見かけない。
ある時など
長髪を振り乱し、鬼気迫る手書きアングラ紙芝居を演じるおじさんと、
その前にちょこんと座って熱心に聞き入る若いカップルを目にして
一緒にいた友人と唖然としたことがある。
よく中央線文化と東急沿線文化は相まみえず
互いに嫌厭し合っていると言う人がいるけれど
その「文化圏」の違いを感じるような一幕だった。

結局大学時代、この異文化になかなか馴染めなかったという夫と
「違うよねー、うちの方じゃ絶対見かけないタイプ」
とか言い合っていちいちウケながら、見方を変えてアウェイの街を楽しむ。
何より、お年寄りが元気溌剌であることも刺激的だ。
井の頭線の車中や、カフェなどでも
彼らの凝った服装やちょっとした振る舞いが、やっぱりひと味違うのである。
わたしたちもこれから負けてはいられない(笑)。

行くたびにだんだん好きになる。
これからも四季折々訪ねてみたいけれど、
それでもやっぱりわたしにとっては、
晩秋の景色と切り離せない、寒くて遠くの街なのだ。

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by paris-jacob | 2017-11-29 17:13 | エッセイ/ essai | Comments(2)
Commented by Tetsu at 2017-12-06 07:31 x
昨日まで、内田さんと5泊6日の、作業&宴会・合宿でした。
よく働きよく呑んで、太りました。今日は自由が丘で撮影です。
井之頭公園の秋・素敵ですね。時代を超えたお二人での散歩姿が目に浮かびます・若き頃の(ラ・ブーム)&この先の(老夫婦)
いつでも良い感じです。
駒沢公園は運動公園・健康的ですが、井之頭公園は、しっとりとした雰囲気がありますね。焼き鳥屋も魅力的(笑)ワンコの撮影で何回か行きました。

寒くなって燻製熱が、ボッ!
ベーコンは5キロ半を二度・完売!?
今は平田牧場から取り寄せた11キロ半を塩漬け中、明日から風に当て14日の燻製です・仕事があって漬け過ぎ乾かせ過ぎですが、、、
4日は築地で買った大きめの牡蠣1キロと、1キロ半のノルウエーサーモンを、スペースがあるのでと、内田さんが買ってきた沢庵2本も。まだ空いているからとちくわにかまぼこ、蛸、プロセスチーズも。
サーモンはネットリ・上出来でした。
白花豆のカスレも上出来・ワインはチリとオーストラリアのボックスワイン。
Commented by paris-jacob at 2017-12-06 17:27
Tetsuさん、こんばんは。
今日、自由ヶ丘だったんですね。
なんだかこちらもバタバタしていて…。
お会いしたかったなぁ。

そうだ、そういえば駒沢公園って運動公園でしたね。
中学、高校の運動会はここのメインスタジアムでやったんです。
いつもと違う場所での1日が楽しかったなぁ。
この先、ジジババになったらどちらも遠くていけないかも><。

またまた、半端ない食材のお料理。
これからは寒く閉ざされる山の生活、保存食料は大事ですよね。
『南仏プロヴァンスの12ヶ月』のメイル氏や、
玉村豊男さんみたいですね☆


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